8.14.2015

エネルギー、車、テスラと変える世界 ---18

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以下は、このリンク先の記事 http://waitbutwhy.com/2015/06/how-tesla-will-change-your-life.html を私が勝手に解釈して書いています。オリジナルの内容にできるだけ沿ったつもりですが翻訳ではありません。


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テスラ・ストーリー(その5)



怒った巨人



”ガソリン車時代は終わり、将来はEVの時代になることは明白


自動車業界はこの状況にハッピーではありません。まるで、"カップケーキをおいしそうに食べている子供に、親が野菜を無理やり食べさせようとしている"かのように反応しています。


では、石油業界はどうでしょう?


自動車業界は、嫌でも我慢してEV作りに方向転換し、大きな山を乗り越えれば、また繁栄することができますが、石油業界はそうは行きません。世界中で採掘される石油の45%は輸送セクターで使われていて、中でも、先進国ではこの割合はもっと高い。アメリカでは石油の71%は輸送セクター、そのほとんどが自動車
に使われています。だから、もし、EVが本格的に受け入れられるようになって、ほとんどの車がEVになってしまったら、石油業界は破滅してしまうのです。


自動車業界がカップケーキを食べている子供で、親が野菜を無理強いしているのなら、石油業界は、同じようにカップケーキを食べている子供でも、親はカミソリの歯を無理強いしているようなものです。自動車業界は、
野菜に抵抗してかんしゃく玉を爆発させても、そのうち嫌々ながら折れてしまうでしょうが、石油業界は、抵抗して親の生目を抜き取ろうとします。だって、石油業界にとっては生きるか死ぬかですから。


石油業界は、EVをまさしくカミソリの歯だと思っています。巨大な業界が、命をかけて戦わずして、おとなしく諦めてカミソリの歯を飲むわけがありません。


以前タバコ業界も、風向きか変わって立場が悪くなってきた時に、できるだけ長く、パワフルでいられるように、あらゆる手段を使って猛烈に戦いました。同じ様に、
石油業界も、あらゆる手段を使って戦っています。


こんな場合、
生き延びようと這いつくばっている業界は、先がないことを熟知していることがほとんどです。でも、そうこうしている間もまだお金は入り続けるので、できるだけその最後を延ばそうとします。一般大衆が状況をはっきり理解して、業界を拒否するようになるまで、また、政治家が業界の活動を規制して、お金の流れが止まるまで、儲けが続くのです。時間はまさしくお金ですね。


どうやって長く生き延びつづけるか、そのやり方はいつも同じです。人々が混乱して戸惑うように間違った情報を流し、それを政治化して政党に結びつける。国を二分して、業界に反する側に賛成すれば、自分の政党を裏切ってるような居心地の悪さを感じるように仕向けるのです。


人々を混乱させるのに、ほとんどの科学者が既に同意していることを、まだ見解がまとまってなくて、真剣な討議が引き続いていると思わせるずる賢いやり方がよく使われます。
人間の行為が地球温暖化を引き起こしていると、97%の科学者が同意しているのに(グリーンの点線)、あらゆる所でまだ意見が戦わされていると見せかけているので、まだ人々は、科学者の意見もマチマチだと思い込んでいます(ピンクの棒グラフ)。


http://skepticalscience.com/97-percent-consensus-cook-et-al-2013.html


数十年前も同じやり方が使われました。98%の科学者がタバコを吸うのは肺がんを引き起こす原因になると言っていた時も、タバコ業界は、何人かの科学者を買収して反対意見をそれらしく言わせ、長い間、タバコが害になるかどうか科学者たちは"同意していない”と、一般大衆に思わせ続けました。その時”タバコは害じゃない”と言っていた科学者たちの内の何人が、一世代後の今、"地球は温暖化していない”と唱える科学者になっているか、Merchants of Doubt という本に詳しく記されています。全く同一人物たちがです。。。


1990年、カリフォルニアの排ガスゼロ規制ができて、
EVを作らなければカリフォルニアで車を売れないことになりました。石油業界にとって、これは小さい腫瘍、大きく危険になる前に、早く切り取って捨ててしまわなければならない腫瘍でした。しばらくして、規制に反対する声が上がりました。“Californians Against Utility Company Abuse” (CAUCA)”公益事業会社の虐待に反対するカリフォルニアン”という、草の根キャンペーンです。キャンペーンは、州が提案した代替燃料車のサポートシステムへ、公共事業が投資するのに反対して、プロテスト行動を行ったり、電気自動車が環境に役立つかどうか疑わしいと申し立てたりして、市民の意見に影響を与えました。しばらくして、規制は撤回され、EVは消え去り、小さな腫瘍は潰されました。。。後になってわかったことは、CAUCAは、石油会社がPR会社を雇って、お金を払って作らせた偽物市民団体だったということです。プロテストもお金をもらった人たちによるやらせでした。


今また、石油業界に新しい腫瘍が現れました。イーロン・マスクです。マスクはテスラで、
電気自動車がこれから未来に通じる車だと、直々に見せて、はっきり教えてくれます。自身の資金を出して、誰もが可能だと思っていた以上の優れたEV技術を開発しています。それを目の当たりにし、実際使ってみた上で、熱狂的に支持しているモデルSのオーナーたちの熱意は潰せません。簡単に潰せた政府の規制とは違います。


石油業界は、EVの将来が潰せないなら、できるだけその将来が来るのを遅らせようとしています。
テスラのミッションは「人を納得させ突き動かすほどのEVを市場に出し、世界の持続可能な輸送手段へのシフトを加速すること」ですが、石油業界の今のミッションは、「EVはガソリン車よりも、それほど環境に良くないと思わせて、世界の持続可能な輸送手段へのシフトをできるだけ遅らせること」です。


どう見ても、EVは絶対に環境にベターなのに、石油業界は、そう思わせないために、虚偽の迷信という奥の手を出しました。。。こんな感じ。






たくさん飛び交っている
迷信のどれについても、私(ティム)は最初から迷信だとは決めつけずに、調べて見ました。どうしてEVは汚いのかと言う論議を聞くたびに、突っ込んでみて、いろいろ読んでみましたが、どれをとっても事実に基づく根拠は見つかりませんでした。EV、特にテスラに関する迷信の中でもよく聞く話をいくつかあげてみましょう。


迷信: EVバッテリーの廃棄は有害だ

事実: A)車に使われるリチウムイオンセルは、特に有害ではなく、埋立地にそのまま廃棄していいと規定されている。 B)
いずれにせよ、ほとんど全部リサイクルされている。 C) それに、EVの使用済みバッテリーは、まだまだかなりの価値が残っていて、固定のバッテリーに使われたり、原材料に戻されて再利用されるなど、リサイクルされ続ける


迷信: テスラの製造は、プリウスや他の多くのガソリン車の製造よりずっと汚い。

事実: 高価な車の製造は、安い車の製造より汚い。テスラの製造をプリウスの製造と比べるのは、「プリウスの製造は、ゴルフカートよりも汚いから、プリウスは汚い。」と言うのと同じ。比較の基準を同じにすれば、テスラの製造は、他の同じ価格層の高級車の製造とほぼ同じ。


迷信: EVは、電気グリッドの大きな負担になる。

事実: グリッドは、最悪の年の、最悪の日の、最悪の秒の需要量を想定してキャパが設定されている。だから、通常は余剰キャパがあまり余っている。今アメリカでガソリン車が走っているマイルの70%をEVが代わりに走ったとしても、今のグリッド容量で問題ない。そして、ソーラーパネルをつける家が増えるほど、このパーセンテージも上がる。


迷信: テスラのバッテリーにはたくさんのグラファイトが使われている。これが、中国の大気汚染を悪化させている。

事実: これの論理はこう: ”テスラのバッテリーにはグラファイトが使われている; グラファイトの最大生産国は中国; 中国の公害はひどい; だから、テスラは中国の公害に何らかの責任がある。” ところが、ちょっと突っ込んで調べてみると、テスラが使っているのは、主に日本やポーランドで作られている合成グラファイト。更に、モデルS一台に使われる量は、約100Kg。この100Kgが約10年持つ。モデルS一台に使われる量は、一年に数回バーベキューして燃やしてしまう量とあまり変わらない。


でも、こういった根拠のない迷信のなかでも、最も効果的に大衆を惑わし、広く蔓延している迷信がひとつあります。the long tailpipe theoryです。EVが気に食わない人はすぐこの説を口にします。いったいどんな説なのでしょう?Fox NewsのGreg Gutfeldに、ありがたく説明して頂きましょう。

「こんな馬鹿げたちっちゃな車が環境に良いなんて、全くの嘘っぱちだ。電気は石炭を燃やして作られているんだから。あるケースでは、ガソリンの内燃エンジンよりも、(EVの方が)もっと公害になるっていう研究もあるくらいだ。」

ちょっと聞いたら、理にかなっているように思えます。
グレッグさんの言っていることは、以前出したアメリカの排気チャートの、赤い丸部分が、緑の丸部分に代わるってことですね。





waitbutwhy.com 



このシリーズの最初の方で確認したように、二酸化炭素排気の2大原因は、ガソリンで車を走らせることと、石炭で電気をつくることです。long tailpipe theoryの論理は、「EVは、単に、前者から後者(
どちらも悪い)へ移しているだけ」と言うのです。石炭は、世界で最も多く使われている発電燃料で、同等の発電されるエネルギーに対して、ガソリンの約1.5倍の二酸化炭素を排出するので、ガソリン車より、EVの方が排気を悪化させるというのです。


EVについて読んだり、人と話をすれば、またかまたかまたかまたかというほど、この説が登場します。


でも、そのうちに気付き始めるのです。long tailpipe theoryを持ち出して、怒ってEVを非難している人の誰もが、“may be” や “often” と言った言葉を使うって事。グレッグの場合は“in some cases, some studies show.”と言ってる事をです。なぜか?言ってることが、本当ならいいのにと願いながらも、本当じゃないのを知っている時には、そのような言葉を使うしかないからです。


アメリカを例にとって、どうして彼らが間違っているか見てみましょう。



1) アメリカの発電燃料は石炭だけじゃない。ミックスしているし、石炭はどんどん減っている。


石炭は、アメリカの発電源の39%を占めていて、その割合は年々下がっています。




http://www.ucsusa.org/clean-energy



天然ガスは、石炭の半分以下しか二酸化炭素を排出しませんが、これがアメリカの発電燃料の1/4以上を占めています。原子力と再エネは二酸化炭素排出はほぼゼロで、これらが約1/3を占めています。


2) エネルギーを作る効率は、車のエンジンより発電所の方がずっと良い。


天然ガスを発電所で燃やすと、約60%の効率が得られます(=燃料の40%のエネルギーは、発電プロセスの間に熱となって失われる)。車のエンジンでガソリンを燃やすと、大部分のエネルギーは熱となって失われてしまい、効率はわずか25%以下です。複雑でも大きな発電所のほうが、小さいエンジンより廃熱を回収して再利用しやすいのです。こういった効率の差を考慮に入れて比べると、電気自動車が全く石炭だけで発電された電気で走ったとしても(石炭発電で出る二酸化炭素の排出量は)燃費30mpg(マイル/ガロン)のガソリン車を走らせるのと同じになります。燃費30mpgは、ガソリン車燃費の平均よりかなりいい値です。


もちろん、発電燃料の内訳は州によって違うので、場所によって、EVを走らせるがどれほどグリーンなのか差があります。US Department of Energy(米国エネルギー省)は、国中のZipcode(郵便番号)毎に、EVがガソリン車に比べて、実際どれだけクリーンなのか、
well-to-wheel emissions(油田から車輪まで、燃料の生産から配給まで包括的な排気データ)で比べてくれる優れたツールを出しています


そのツールを使って3つ例を出しましょう。
アップステート・ニューヨークは、全米の中でもあまり石炭を使わないエリアです。ここでのEVの同等二酸化炭素排気量(青の棒グラフの左端)はガソリン車(同グラフの右端)の4/1以下とかなり低いのがわかります。(HEV = ハイブリッド車, PHEV = プラグインハイブリッド車):




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コロラドのように、石炭を最も多く使っている州では、EVの同等排気量はかなり上がります。が、それでも、ガソリン車よりは少ないのです。






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アメリカ全土の平均は、その中間あたりで、EVの同等排気量はガソリン車の61%です。




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The Union of Concerned Scientists (憂慮する科学者同盟な〜んて、あまり楽しそうじゃありませんが。。。)は、車のタイプに関わらず、排気を直接比べられる方法を考え出しました。 “miles per gallon equivalent,” 又は MPGghg (ghg はグリーンハウスガス)です。MPGghg は、EVが排出する二酸化炭素量にマッチする、ガソリン車のMPGを示します。(EVの値は、発電所が排出する二酸化炭素量を使う)もし、あるEVが40 MPGghgだとすれば、40 MPGのガソリン車と同量の二酸化炭素を排出しているということです。


ガソリン車の新車は平均23 MPG、30MPG以上だとガソリン車の中ではかなり良く、15〜17
MPG以下は悪いのです。参考までに、全く石炭だけで発電された電気で走るEVは、30MPGghgです。(だから、石炭だけで発電している州があったとしても。。。ないですが。。。EVはとても燃費のいいガソリン車と同じです。)そして、天然ガスだけで発電している州があったとすれば、そこのEVは54MPGghg。50MPGで走るトヨタプリウスより少しいいことになります。


アメリカ各地で、EVがどんなMPGghgを得られるのか示した、便利なマップが下です。











人口の17%は石炭をたくさん使っているエリアに住んではいますが、そういったところでさえ、既にEVはガソリン車に勝るのです。全体を比べてわかりやすく下のグラフにまとめましたが、ベストなハイブリッドより、全米の発電平均で走らせるEVの方が、もう既に優っているのがわかるでしょうか?”long tailpipe theory”こそ嘘っぱちです。


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既に結構いいポジションにあるブルーのバーは、少しずつ右に動いていること忘れないでください。毎年、電気グリッドはクリーンになりつつあるので、それにつれて、EVもクリーンになって行きます。EVを運転して、自宅屋根にはソーラーパネルを取り付けている人も多いですが、そういった人たちは既に排気ゼロに近い所にいます。


一方、ガソリン車は今いる所に縛られて、動けず、将来がどんどん先に走って行ってしまうのを見送るしかできません。



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廉子の注)テスラは、すごいスピードでイノベーションを進めています。既に、一ヶ月ちょっと前に出たティムのポストの内容にも古くなっている箇所がありますが、あえてそのままにしました。そういった点も含めて、近いうちに、自分のオリジナルポストで取り上げようと思います。