7.19.2015

エネルギー、車、テスラと変える世界 ---11


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以下は、このリンク先の記事 http://waitbutwhy.com/2015/06/how-tesla-will-change-your-life.html を私が勝手に解釈して書いています。オリジナルの内容にできるだけ沿ったつもりですが翻訳ではありません。


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車ストーリー(その2)


それから一世紀、100年経ちました。その間に、原始的でローカルでしか使えなかった有線電話が、今ではインドのデリーにいる人が、ポケットから小さいガラスの板を取り出して表面を指先でタップするだけで、瞬時にサンパウロにいる友達と顔を見ながら話せるようになりました。雪模様だらけで途切れがちだった白黒のサイレント・ムービーは、Pixar(ピクサー)になり、化学薬品を混ぜていた研究所は、素粒子を衝突させるLarge Hadron Collider(大型ハドロン衝突型加速器)になりました。ライト兄弟の12秒、120フィートの飛行は、地表から250マイル上空の国際宇宙ステーションに定期的に通う飛行になりました。(それどころか、太陽系の端のプルートまで9年半かけて飛ばせた宇宙船から、写真やデータを受け取れるまでなったのです。)

「そして、原始的なガソリンを燃やす車は、」という文を、「想像も出来ないくらいイカしたカッコいい何かになりました。」と締める代わりに、「良質なガソリンを燃やす車になりました。」と言うしかありません。

前も言ったように、1900年頃の人には、ACインダクション・モーターで車を走らせるのは、とってもイカした未来的なアイディアだったはずです。内燃エンジンは、改良が進んでそれなりにカッコよかったものの、そもそも100年前に発明された蒸気機関がもとで特に未来的ではありませんでした。それに。。。今私たちが住んでいるのは1900年ではなく、2015年です。それなのに。。。皆が乗っている現代の車のエンジンを覗くと、シリンダーの中で何か熱いものが爆発して、ピストンが行き来している。。。


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これって、とてつもなく古い、旧式じゃないですか?


                                   

ここで、車について何も知らない人(ティム)が、エンジンはどうやって動くのか説明します。車に詳しい人は憤慨するだろうな。。。

上のアニメーションは、4ストローク、4シリンダーのエンジンです。4シリンダーとは、中をピストンが上下運動している4つのチューブの事です。ピストンが上がるか下がるか、どちらでも一回の運動をストロークと呼びます。4ストロークして1サイクル、その間に燃料は燃焼します

1)インテイク・ストローク: ピストンが下がって、上に青いものが満ちるストロークです。青いのは吸い込まれた空気で、これに燃料インジェクターが、ちょうどのタイミングで僅かばかりのガソリンを吹き込みます。

2)コンプレッション・ストローク: ピストンが上にあがり、その時、青いものがオレンジに変わるストロークです。何が起こってるかというと、ここではインテイク・ストロークの時に空気を取り入れたバルブが閉まるので、ピストンが上がるとき、空気とガソリンが混じったものがシリンダーの外に出れなくて、ギューッと圧縮されます。

3)パワー・ストローク: 車好きの人は、このストロークを熱っぽく語るんじゃないかな。上のアニメーションでは、ピストンが下がり、下がりながら上のオレンジのものがグレーになるストロークです。前のコンプレッション・ストロークで、空気とガソリンはギュッと圧縮されました。そのストロークが頂点に達した時、シリンダーの上にあるスパークプラグが火花を散らし、圧縮された空気とガソリンに火をつけ、小さな爆発が起こります。この爆発でピストンが下に押し下げられます。このストロークで車のエンジンが動かされるのです。

4)排気ストローク: ピストンが上がり、灰色のものを押し上げ外に出すストロークです。灰色のものは排気(ピストンの中でキャンプファイヤー?を燃やして出た煙)で、ここからテールパイプを通って外気に出されます。煙のほとんどは無毒のガス、それに、僅かな一酸化炭素と他の毒(?)が混じっています。また、排気の中には、爆発した時に出来た二酸化炭素も含まれています。これで、3億年もの間、地下で退屈な時を過ごしてきて、ガソリンの中に埋もれていた炭素が、自由になってハッピーに大気に戻るのです。

これらのピストンが激しく往復を繰り返し、クランクシャフト(ピストンの下にあるピストンがつながっている金属のからくり)を動かします。これが回転運動を起こし、最終的に車軸を回すのです(多分そうでしょう)。

詳細: このビデオの最初の2分間が、上のアクションを見せてくれます。こちらは見た目が綺麗なビデオです。

                                                                                

こうやって見ると、車のエンジンは確かにクールですね。熱中する人がいるのもわかります。でも、この2つのアニメーションを並べて見てみると。。。


1815年の蒸気機関エンジン:



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2015年の車のエンジン:


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二百年もたってる割には、あまりにも似すぎている。。。

「シリンダーの中で熱い爆発が起こり、ピストンを往復させ、金属棒を動かして車輪を回す。そして、発生した煙をハイプから吐き出す。」って、なんとも古ぼけたテクノロジーに聞こえるし、今でも使っているのはなんかおかしい気がするんです。

私たちは自分が住んでる世界に、その世界がどんなものであろうと、結構慣れるものです。でも、歴史を調べて、ずーっと遠くから眺めてみると、腑に落ちないことが幾つか見えてきます。これも、そのうちの一つです。

どうしてこうなったのでしょう?

もし、電気モーターがもっと進んで優れたテクノロジーなら。。。静かで、クリーンで、先端技術を利用していて理想と思われていたのなら、どうして、社会はその技術を諦めてしまったのでしょうか?1900年当時は、電気自動車もガソリン車も両方まだ大衆に普及していなかったし、どちらも、克服しなければならない幾つかの大きな技術上の問題を抱えていました。確かに、その後すぐガソリン車の方が先に問題を解決しました。でも、だからといって、どうして延々とガソリン車で我慢しなければならない理由があるのでしょうか?ガソリン車は原始的な技術を使っていて、私たちの都市をスモッグで汚し、大気の化学組成を変えてしまっているのに。

20世紀の人類の発明力は、ライト兄弟の12秒飛行から僅か66年で、月へ人を送れるほどの技術の飛躍をもたらしました。その発明力を使っていれば、バッテリーの技術を改善し、電気自動車の値段を下げ、充電時間を減らし、走行距離を伸ばす事など、まず問題なく出来ていたはずです。「どうして、一般社会にこんなに大事な車の動力テクノロジーの発明や前進が止まってしまったのでしょうか?」

同じ疑問は、化石燃料時代のもう一つの大きい課題にも投げられます。不思議に思いませんか?アメリカ初の発電所、マンハッタンにあるエジソンのパールストリート発電所は、1882年に石炭を燃やして発電を開始しました。どうして、2015年の今になっても、発電の大半はいまだに石炭を燃やして行われているのでしょうか?既に何十年も前から、石炭を燃やすのは最適な方法でもないし、長期間継続もできないっていうことがわかっていたのに。

「Xテクノロジーが進歩しなくなったのはどうしてだろうか?」という質問は、進歩を誤解しているから出てくるのだと思います。「テクノロジーの進歩が止まってしまうのはどうしてか?」と問うかわりに、こう問うべきではないでしょうか?


「テクノロジーが進歩するのはどうしてだろうか?」




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