7.07.2015

エネルギー、車、テスラと変える世界 ---3

最初のページ

前のページ

以下は、このリンク先の記事 http://waitbutwhy.com/2015/06/how-tesla-will-change-your-life.html を私が勝手に解釈して書いています。オリジナルの内容にできるだけ沿ったつもりですが翻訳ではありません。


                ーーーーーーーーーー

エネルギーストーリー(その2)

じゃじゃ(龍)ドラゴンならし


人間は風や水をコントロールして、そのジュールを自分たちに役立てられるようになったものの、ジュールがギッシリ詰まった「火」はとなると、その近くに寄り集まったり、料理したりとか、そのままの状態で使う以外、どうやってうまく利用できるのか長い間考えつきませんでした。「火」は手に負えないドラゴン。どうやって手懐けられるのか誰にも分からなかったのです。

「蒸気」が登場して、やっとその壁がぶち破られました。

「火」のジュールはそのままでは使いづらいものです。でも、その熱ジュールを水に向けると、水の分子はだんだん興奮してきて動き回り始めます。そのうちに興奮が高まって水面から飛び出してしまう。下から燃え盛る火に煽られて、蒸気は力強くプッシュし続けます。それまでどうして扱っていいのかわからなかった「火」の熱ジュールを、パワフルな蒸気のジェットに変える事によって、やっとコントロールする糸口が見つかったのです。

「蒸気」という道具を手にして、18世紀のイノベーターたちはこぞって発明に取り組みました。他とは比べ物にならないパワフルなジュールを使えるようになって、それまでは想像も出来なかったようなアイディアを試せる時代に突入していきました。めざましい技術の進歩で、突破口が突破口を産み、壁がどんどん破られて行った結果、19世紀の初めには、人類の歴史上もっともインパクトの強い発明と言われる「蒸気エンジン」が誕生したのです。

ピューピューと熱く息巻くやかんを想像してみてください。蒸気が噴き出しているやかんの口にチューブをつけて、その先を口が2つあるシリンダーの一方に繋げると、ものすごい勢いで蒸気がシリンダーに押し込んで来ます。反対の口を少し開けて蒸気を逃がしてやる事によって、蒸気のパワフルな流れが生まれます。この流れを利用してシリンダー内のピストンを往復運動させるのが蒸気エンジンです(極度な単純化)。使われる車体によってピストンの往復運動はいろいろな形を取れます。機関車を例を取ると、ピストンに繋げられた棒が前後して車輪が回転する仕組みになるのです。


waitbutwhy.com

蒸気エンジンができて、帆船に代わって蒸気船が、馬車に代わって機関車がどんどん作られるようになりました。工場も水車からもっと効率のよい蒸気車輪へと切り替えられていきました。

膨大な量の材料や物品を、より早くより遠くまで運べるようになり、工場もより効率的になり、産業革命の火は勢い良く燃え上がりました。産業革命は「蒸気」が原動力という人もいますが、蒸気はただの仲介人です。何十万年もの間、燃焼効果の恩恵をそのまま受けるだけしかすべを知らなかった人類も、やっとじゃじゃ(龍)ドラゴンを手懐けることに成功したのです。そうです。産業革命の原動力は「火」なのです。

宝を掘り当てた!

「火」の力を手中に収めた人類は、そのパワーをつくり出すために、燃やすことに熱中するようになりました。それまではなにか燃やしたいと思ったら、出歩いて木を探してくればよかったのですが、もうとても木だけでは足りません。

実は以前から他にも燃やせるものがあるのに気づいてはいたのです。英国では黒い石を海辺で拾ってきて、木と一緒に燃やすことがよくあり、これを石炭と呼んでいました。

困ったことに、地表で手に入る木と違って、ほとんどの石炭は地面を掘らなければ手に入りませんでした。産業革命の火を燃やすため、英国人はどんどん石炭を掘り始めました。産業革命がヨーロッパやアメリカに広がるにつれて、それぞれの地でも石炭を掘り始めました。膨大な量の石炭が必要だったのです。

こぞって掘っていると、燃える気体(天然ガス)が詰まった地下洞や、ベットリした黒い燃える液体(原油)に満ちた地下湖など、石炭以外のものも掘り当てるようになりました。人は、燃やせるジュールがギューッと詰まった宝物が地中にあるのに気づかずに、長い間地表を歩き回っていたのですね。犬が手に入れた骨を埋めようと、森に来て地面を掘っているうちに、思いがけず、おいしく焼き上がった肉がゴマンと詰まった巨大な洞窟を見つけたようなものです。

焼肉で溢れんばかりの洞窟を見つけた犬はどうするか?立ち止まって、どう処分したらいいのかと冷静に考えると思いますか?食べたら体を壊さないかなと心配すると思いますか?とんでもない!がむしゃらに食べまくるのみです。我を忘れて、ものすごい勢いで。

こうして19世紀を通して、至る所に石炭の炭鉱と石油のリグが作られていきました。新しく見つけたジュールの宝を燃やしながら経済は成長し、みな興奮して、新たな素晴らしい技術の革新に駆り立ちました。

蒸気エンジンの開発もそうであったように、電気革命も、多くのイノベーターが数百年にわたって知恵と努力を積み重ねてきて、1880年代にやっとその努力の花が咲きました。「燃える」という無秩序なパワーを、扱いやすく融通がきいて用途の広い「電気」エネルギーに変換することに成功したのです。この電気技術への転換は、今までの歴史上もっとも重要なテクノロジーシフトだといえます。手に負えない「火」の燃焼ジュールを、「蒸気」を仲立ちさせて「電気」に変え、整えた電線のグリッドに送り、長距離送電して、住宅やオフィスビルまで届けた後、必要があるまではおとなしく待機させておくことができるようになりました。そこから先、電気ジュールは、多様なエネルギーに変換することができます。温めて湯を沸かしたり、冷やして氷を作ったり、電灯を灯して部屋を照らしたり、電話をかけて遠くの人と話したり。「蒸気」がドラゴンを手懐けたとしたら、「電気」は手懐けたドラゴンを忠実な魔法使いのバトラーに変えたのです。これで人は飛躍的なパワーを手に入れました。

実は同時期、もう一つの技術革命が進行しつつありました。「火」が船、汽車、工場を動かし、魔法のような電気も使えるようになったものの、個人の交通手段は1775年当時のまま、干し草によって動かされていました。時は19世紀末です。もっと何かいい方法があるはずと、数々のイノベーター達が努力を重ねました。そして、20年かそこらで「火」のパワーで動くシリンダーエンジンを抱えた、大きな金属の馬が至るところを走り回るようになったのです。

石炭、石油、天然ガスの発見が、前例のないイノベーションを引き起こし、次から次へと技術が革新されていきました。これらのテクノロジーの普及によって、更に多くの燃料が必要となり、人はどんどん掘り続けました。ジョン・D・ロックフェラーのスタンダート石油を筆頭に、地下に眠るジュールの宝物を、掘っては引き上げ吸い上げることに専念した会社は、次第に世界最大の企業帝国となっていきました。世界中で一番ハッピーな犬が、どこまでも続く地下洞窟にギッシリ詰まったおいしい焼肉を平らげながら、新たな世界を築いていったのです。

次のページ